なぜ登る

夏のうだるような暑さから、過ごしやすい秋風が吹く季節となってきた。

久しぶりにチビ達を見に行こうと、曇り空の下、スキップするように向かう。

目的地、動物園。

久しぶりにリスたちの住む世界にお邪魔しよう。

「お邪魔しまーす」と言いながらリスたちの住む森に入場。ふと足元に目をやれば、「あー、忙しい」と言う言葉が聞こえてきそうなほど、ちょろちょろとチビ達が動き回っている。

そのうちの1匹が私の靴の前で立ち止まった。これは…

 

靴の匂いをかいでるなと思ったその直後、無邪気にも私の足にしがみつく。その太い二の腕、うるっとした目でこちらを見つめながら、この子はまんまとよじ登ってくるではないか。

 

「何か間違っていませんかね。、木じゃないんですけど

そんなことをつぶやく昼下がり。

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